【アルバム紹介】90年代の珠玉のメロディー・メイカー「プリファブ・スプラウト」

プリファブ・スプラウトは私の一番好きなバンドのひとつ。

ただ彼らのことを知ったのは割と最近だ。90年代に活躍したバンドなので、世代的にはリアルタイムで聴いていてもおかしくなかったのだが、当時、彼らのことを耳のする機会がなかった。

なので、したり顔で彼らの歴史などを語ることは控えたい・・・というか、より正確に言うならよく知らない(笑) 私が知っているのは、ちょっとしたバンドの変遷とプロデューサーのことぐらい。でもそれでよい、音楽さえよければ。40も過ぎるとあまりバンドの歴史を知って、その中にさらなるストーリーを見いだし、よりファンになるということがあまりなくなる。

ともかく1曲ぐらい聴かないことにはまったく雰囲気も伝わらないと思うので、かなり聴きやすいポップに仕上がっているこの曲をまずは紹介しておこう。

Prefab Sprout - Cars and Girls

アルバムのほとんどが素晴らしい。

彼らはネオ・アコとジャンル分けされることが多いが、90年代の割とメロウなバンドはなんでもネオ・アコと言えてしまう気がするので、どうもネオ・アコと言われても、あまりピンと来ない。

ただ思うのはリーダーのパディ・マクアルーンが稀代のメロディー・メイカーであること。一般的なメロディー・メイカーというのは、例えばポール・マッカトニーやビリー・ジョエルなど誰でも知ってるヒット曲を何曲も書く人、ということになるのだろうが、私の中ではパディ・マクアルーンは決してポールらに勝るとも劣らない才能だと思っている。もちろん、ポールらほどの有名曲はない訳だが、彼にしか出せない極上のポップスの世界観がある。例えて言うなら、曲のタイプは全く違うがプリンスのような。超ポップという曲は意外と少ないが、どれをとっても何をやってもプリンス印みたいに個性がにじみ出る感じ。

そして・・・全ての曲が名曲とは言わないが、アルバムごとの出来不出来も少なく、またアルバム単位でみても、曲の粒がそろっている。