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【アルバム紹介】ビートルズ「アビィ・ロード」(1969) 【50周年記念エディション】

 

「アビィ・ロード」も50周年だって。ということは「クリムゾン・キングの宮殿」も50周年かぁ。

 

ビートルズ、オリジナル・アルバム、リマスターの歴史

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こちらのブログによると、「アビィ・ロード」の最初のCD化は日本版のみだったようだ。で、私は知る最初の「アビィ・ロード」のCDは87年発売の世界版の方だった訳だが、特に音圧のなさに不満があった。なんでもジョージ・マーティン自身がミックスしたという話なのだが、この時代まだWindows 3.1も世に出ていない時代なので、デジタルリマスターの技術もたかが知れている。

この87年のリマスターから、間に「ビートルズ1」(2000年発表)など、音圧をバリバリに上げたベストアルバムの発表を挟みながらも、オリジナル・アルバムがリマスターされることはなく、2009年になりようやくすべてのオリジナル・アルバムがリマスターされたのであった。

 

 アビィ・ロード、50周年記念エディションについて

「アビィ・ロード」の2009年リマスター版は音質も良好で、またオリジナルの「アビィ・ロード」自体が最初からステレオ版で発表されることを予定して録音されていたこともあってか、非常に自然な仕上がりだ。

なので2019年にあらたにリミックスされると聞いて、期待はあったものの、まあ2009年版のままでも問題なしと思っていた。

で、実際に50周年記念エディションの音を聴いてみると・・・2009年版とあまり違いが分からない(笑) なんでもすごく聴きこんでいるファンの耳からするとかなり違和感のあるミックスになっているらしいが・・・

確かに、敢えて言えば、だが、ポールのベースは全体的によく鳴るようになっているし、コーラスワークも個人の声がよりはっきり分離して聞こえる。

なんだけども、50周年記念エディションを一通り聞いて一番感じたのは、ウォームな音の感触。完全なデジタル環境で聴いているにも関わらず、どこか真空管アンプを通して聴いているような感覚がある。

他の流行りの音楽と続けて聴いても音圧やボリュームに不足はないのに、このウォームな音作りというのはそれなりに苦労もあったのだろう。

まあとにかく、プロデューサー、リミキサーの顔が浮かぶようなバリバリのミックスではなく、実にさりげない「アビィ・ロード」の良さを最大限引き出そうとするミックスで大変好感が持てた。

 

「アビィ・ロード」について

この50周年記念エディションの発売に際して改めて「アビィ・ロード」を聴きなおした訳だが、やはり完成度が群を抜いている。私は、よくある無人島に持ってくなら~、の1枚を選ぶとしたら、この「アビィ・ロード」だ。

ポール、ジョン、ジョージのコンポーザーとしての意地が激しくぶつかりあうA面。細切れな曲の繋ぎ合わせが、ビートルズ解散を暗示させるも、ポールとジョージ・マーティンの素晴らしい仕事によって一大抒情詩に仕上げられたB面。

いい点を挙げればきりがないが、とにかく曲、演奏、そしてアレンジがビートルズ史上最高峰であるとともに、またロック史上においても最高峰であると思う。