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懐かしの洋楽ポップスから最新チャートまでを語るブログです。

【アルバム紹介】安全地帯が最も充実していた時に作られた3枚組の大作! 安全地帯「安全地帯V」

私が最初に買った(買ってもらった)LPはサザンオールスターズの「kamakura」と安全地帯の「安全地帯IV」であった。それからなんだかんだで35年近く経った訳だが、これらの2枚はいまだに名盤だと思うし、これから音楽を聴いていく上においても悪くないスタートだったと思う。

さて、そんな訳で本日取り上げるアーティストは安全地帯。しかしその中でもアルバムは敢えて「安全地帯V」をご紹介したい。

アーティストは絶頂期に2枚組アルバムを作る説・・・しかし!

上記の説はあながち嘘じゃないと思うんだよなぁ。ビートルズの「ホワイト・アルバム」、レッド・ツェッペリンの「フィジカル・グラフィティ」、そしてスティービー・ワンダーの「キー・オブ・ライフ」。どのアルバムも2枚組でありながら、捨て曲なし。

しかし!

 そこへ行くと「安全地帯V」はなんと3枚組である(笑) ちなみにCDでは2枚組になってしまっているのだが、オリジナルのLPではちゃんと1枚目A面、B面、2枚目A面~、とちゃんと流れがあるのに、CDではCD1枚目がLP2枚目A面で終わり、CD2枚目がLP2枚目B面で始まるので、もう流れがぐちゃぐちゃ。そこはCDもちゃんと3枚組でリリースしてくれないとなぁ。

あふれるアイディアが止まらない玉置浩二


トーク+即興 槇原敬之/玉置浩二

ここで「安全地帯V」の制作秘話が少し語られているが(余談だが、槇原敬之、「安全地帯V」が3枚組、というところで「え~っ!」と驚いてた。本当に玉置浩二のファンか?(笑))、3時間で50曲作ったという伝説について問われると、玉置が本当だと答え、作られる曲に対してアレンジが間に合わないので、玉置がホーンセクションの部分を口ずさんだものをそのままアメリカに送り、現地でホーンアレンジして録音してもらい、その他にも日本で2つのスタジオを押さえて、どんどんアレンジャーが編曲し録音していったのだとか。そんなペースで曲を作れる人は玉置浩二ぐらいしかいないだろう。

結局、安全地帯Vのために100曲ぐらい作り、36曲が収録された。(1曲はメンバー武沢豊の作曲)

 36曲もあるのに捨て曲なし!

シングルでは井上陽水とのデュエット曲である「夏の終わりのハーモニー」「Friend」「好きさ」と有名曲が収録されているが、収録曲の多いアルバムならではの、実験的な曲、小曲に至るまでメロディ、アレンジとも光るものがあり、ほとんどダレ場がない。

上記番組で語られているようにアレンジ、演奏を大分外部に頼っているため、安全地帯としてのバンドサウンドは多少薄れてはいるが、何より乗っている天才アーティストの勢いと凄みが感じられる。

 食わず嫌いで全くアルバム単位で安全地帯を聴いたことがないリスナーも少なくともこのアルバムに込められた熱量だけは感じてもらえると思う。

安全地帯 V(紙ジャケット仕様)

安全地帯 V(紙ジャケット仕様)